読書会レポート|『多様性の科学』から考える、多様な視点が組織の可能性を広げる理由

2026.10.22

クラウドキャリアでは、メンバー同士で知識や考え方を共有し、日々の業務に活かすことを目的に、定期的に読書会を開催しています。

今回取り上げたのは、マシュー・サイド著『多様性の科学』です。

「多様性」という言葉を聞くと、年齢や性別、国籍、経歴など、人それぞれの違いを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

しかし、本書で考えさせられるのは、単にさまざまな人が集まればよいということではありません。

異なる経験や視点を持つ人が集まることで、一人では気づけなかった問題や解決策が見えてくる。

今回は、多様性が組織やチームにもたらす価値について、読書会での学びを振り返ります。

『多様性の科学』が教えてくれること

本書では、多様性が組織や社会の問題解決にどのような影響を与えるのかが、さまざまな事例を通じて紹介されています。

ここで重要なのは、知識や経験が豊富な人を集めることだけが、優れた判断につながるわけではないという点です。

同じような経験を持つ人たちが集まると、考え方や物事の捉え方も似てくることがあります。

すると、全員が同じ方向を向いているように見えても、実は同じ思い込みや前提にとらわれているかもしれません。

一方で、異なる経験や視点を持つ人がいれば、自分たちが当たり前だと思っていたことに疑問を投げかけたり、別の解決策を見つけたりする可能性が広がります。

つまり、多様性の価値は、単に人の違いがあることではなく、その違いを通じて新しい視点や発想が生まれることにあると考えられます。

似た者同士が集まると、何が起きるのか?

仕事をしていると、自分と考え方が似ている人や、同じ経験をしてきた人との会話がスムーズに進むことがあります。

共通認識があるため、話が早く、意思決定もしやすいからです。

しかし、いつも同じようなメンバーで話し合っていると、知らず知らずのうちに視点が偏ってしまう可能性があります。

例えば、過去にうまくいった方法があると、「今回も同じやり方で大丈夫だろう」と考えてしまうことがあります。

これまでの成功体験は大切ですが、環境や相手が変われば、同じ方法が通用するとは限りません。

そんなとき、自分とは異なる経験を持つ人から意見をもらうことで、これまで見えていなかった課題に気づけることがあります。

自分たちの常識が、必ずしも相手にとっての常識とは限らない。

この視点を持つことは、チームで仕事を進めるうえでも、お客様の課題を解決するうえでも重要です。

採用における多様性とは?

多様性について考えることは、採用活動にもつながります。

採用では、経験やスキル、資格など、応募者の能力を判断するための基準が必要です。

一方で、過去の経歴や自社との共通点だけを重視しすぎると、本来活躍できる可能性のある人材を見落としてしまうことも考えられます。

例えば、これまで自社で活躍してきた社員と似た経歴の人ばかりを採用していると、組織の考え方や仕事の進め方が似てくるかもしれません。

それ自体が悪いわけではありませんが、新しい発想や異なる経験を取り入れる機会が少なくなる可能性もあります。

大切なのは、単に多様な人材を採用することではなく、自社が必要としている役割や能力を明確にしながら、異なる経験や視点を持つ人材にも目を向けることです。

採用活動では、どのような人材を求めるのかを考えると同時に、自社の採用基準が必要以上に狭くなっていないかを振り返ることも重要です。

営業・採用コンサルティングにも活かせる視点

今回の学びは、クラウドキャリアが取り組む営業活動や採用コンサルティングにも通じるものがあります。

企業の採用課題は、一見すると似ているように見えても、その背景は企業ごとに異なります。

応募が集まらないという課題一つをとっても、求人の内容、採用ターゲット、給与や勤務条件、企業の認知度など、さまざまな要因が考えられます。

ここで、過去の成功事例だけを頼りに同じ施策を提案してしまうと、本当の課題を見落としてしまうかもしれません。

だからこそ、これまでの経験や知識を活かしながらも、先入観にとらわれず、企業ごとの状況を丁寧に捉えることが大切です。

また、一人の視点だけで判断するのではなく、チーム内で意見を出し合うことで、自分では気づかなかった課題や別の解決策が見つかることもあります。

経験を積むことと、自分の考えに固執することは違う。

これまでの経験を大切にしながらも、異なる意見を受け入れ、新しい可能性を探る姿勢が、よりよい提案や支援につながるのではないでしょうか。

違いを活かすために、対話する

多様な人が集まっていても、それぞれが自分の意見を言えなかったり、異なる考え方を受け入れられなかったりすれば、多様性の価値は十分に発揮されません。

大切なのは、異なる意見が出てきたときに、すぐに否定するのではなく、まずは「なぜそう考えたのか」を聞いてみること。

自分とは違う意見の背景には、自分が経験していない出来事や、気づいていなかった視点があるかもしれません。

読書会も、そうした考え方に触れる機会の一つです。

同じ本を読んでも、印象に残る部分や仕事への活かし方は人それぞれです。

自分とは異なる感想や意見を聞くことで、本の内容をより深く理解できるだけでなく、自分自身の考え方を見直すきっかけにもなります。

違いをなくすのではなく、違いから学ぶ。

そうした対話の積み重ねが、個人だけでなく、チーム全体の成長にもつながっていくと考えています。

まとめ|異なる視点が、新しい可能性を生み出す

今回の『多様性の科学』を通じて、改めて考えさせられたのは、異なる視点を持つことの価値です。

自分の経験や知識は、仕事を進めるうえで大きな武器になります。

しかし、それだけに頼ってしまうと、知らないうちに視野が狭くなってしまうこともあります。

自分とは違う意見に耳を傾ける。
当たり前だと思っていることを疑ってみる。
一人では気づけなかった視点を、チームの中から見つける。

こうした積み重ねが、新しい発想や、よりよい課題解決につながっていくのではないでしょうか。

クラウドキャリアでは、これからも読書会などを通じてメンバー同士の学びを深め、日々の業務やお客様への採用支援に活かしていきます。

一人の知識や経験だけでは見えない景色を、チームで見つけていく。

今回の読書会は、そんなことを改めて考える機会となりました。